ぱどのxoxoBlog ~NPへの道のり~

NP:ナースプラクティショナーを目指す人のための情報共有ブログ

【スポンサーリンク】
___________________________________________________________________________

わかりやすい(自称)修正版グラウンデッドセオリー その2 M-GTAが評価されている理由

こんにちは,NPぱどです。

今日は研究室から発信しております。

緒言~結果がおおむねできあがったので舞い上がっています。

 

f:id:vivian-hana87:20180917144721j:plain

はじめに

昨日M-GTAについてのざーーっくり説明をしましたね。

そこで今日は,なぜM-GTAが評価されるのか,ということ少しだけ詳しく説明します。

昨日のまとめ

M-GTAは質的研究であり,データの解釈から説明力のある概念の生成を行い,そうした概念の関連性を高め,まとまりのある理論を作る方法です。そして,M-GTAに適した研究とは,

プロセス性のあるもの

非常に限られた範囲に限定したもの

社会相互作用のあるもの

としていました。

M-GTAでできあがる理論

「データに密着した分析から独自の概念を創り,それらによって統合的に構成された説明図である」と木下先生は述べています。ここで勘違いに陥りやすいというか,理論という言葉に惑わされてしまう方が多数いらっしゃるとおもうのですが,「相対性理論」!!というような巨大理論ではないんです。M-GTAにおける理論は,あらかじめ条件づけた範囲内を説明するものなんです。そのため,「社会的相互作用に関係し,人間行動の説明と予測に関わり,同時に研究者によってその意義が明確に確認されている研究テーマによって限定された範囲内における説明力に優れた理論」とも述べております。

M-GTAが評価される理由その1

「実践的活用のための理論であり,応用が検証となる」
「その理論を応用する場合は応用者が必要な修正をする」

と条件をつけているんです。

これまでの話をまとめると,M-GTAで行う研究には初めからかなり限定された条件づけがされていて,出来上がる理論もその範囲で応用は可能であるが,必ずしもぴったりと同じ結果がでるわけではなく,その場に合わせた修正を適宜してくださいね。

とあらかじめ伝えているのです。

そのような条件づけがされた研究方法であれば,査読する側も批判がしにくいんですよね。論文では,研究の限界と書く時がありますけれど,M-GTAにおいてはあらかじめ研究の限界について明確に定義しているんです。だから批判されることも少ないのかなぁとぱどは考えております。

逆を言えば,その代わり論文にはM-GTAという研究方法についてどのようなものかということをしっかりと記載する必要があります。原著論文として採用されている研究をみると,研究方法についての説明がびーーーっしり書いてあります。やはりここが重要なのでしょうね。

M-GTAが評価される理由その2

もう一つ,評価されている理由があります。昨日もお伝えしましたが,質的研究は分析方法が曖昧な点が欠点であると述べました。しかし,M-GTAではそこを劇的に改善させたのです。

思考の言語化の徹底

M-GTAの分析において最も重要視されている「思考の言語化」。これはそれまでの質的データに対する強い懸念が影響しています。質的データの分析は,分析過程が曖昧であることから批判されがちでしたが,GTAではその分析を切片化することで,対応していました。しかし残念ながら,その背景が故に,データがデータとして意味をなさなくなってしまいました。
思考の言語化が客観的にあるために必要なこと
         ⇓
スーパーバイザーによる分析者に対する問いかけ分析中に思いついたことは理論的メモに書く

という方法で木下先生は改善しようとしたのです。

スーパーバイザー

スーパーバイザー≠共同研究者です。スーパーバイザーの役割は,個々の判断が的確に行われるよう判断者に対して確認を促すことと木下先生は述べております。
判断を肩代わりするのではなく,分析者が自分の判断が的確であるかどうかを確認するように働きかけることが重要なんです。
スーパーバイザーは必ずいなければいけないわけではなく,木下先生の本を参考にすればできるようになっていると書かれてはありますが,多くの論文では,スーパーバイザーを採用をしている現状です。

継続的比較分析

分析方法の根幹をなす概念が継続的比較。具体的レベルから抽象度を上げたレベルまで同時並行で多重的に比較を進めていく方法です。この点に関しては,理解が難しいので明日,より詳しく説明いたします。

分析ワークシートの使用

M-GTAでは「分析ワークシート」という決まった書式で分析を進めています。これは非常に変わっていて,質的研究の中でも,M-GTA特異な点であると思います。分析ワークシートについても,説明が長くなってしまうので,別の投稿をしますね。

おわりに

今日はM-GTAが評価されている理由について説明しました。なんとなくご理解いただけたかと思いますが,M-GTAは研究方法として前もってここまでしか説明できるものではないよ,と条件付け,さらに分析手順を明確にすることで,今までの質的研究に対する批判を覆しました。科学の世界で質的研究の地位を向上させた方法なんです。実に,魅力的な研究方法ですね。

【スポンサーリンク】